3月のとある日
3月のとある日、その日は御祈祷(お祓い)・御朱印の御参拝者様で、社頭は賑わっておりました。
御朱印に並んでいた御参拝者様、お名前が分からないので仮にさくらさんとします。(高校生?大学生?)
さくらさんの順番になり、
さくらさん:神主さん『飛』って筆字で書ける?
わたし:突然のお問い合わせに・・・?
さくらさん:わたし課題の書が『飛』と言われて、混乱しました。日常であまり使用することが無い漢字ですし、ペンで書いてもバランス・書体が難しいのに、筆字で書くなんて考えられない!でも書きました。書きました。何百枚も?何千枚も書きました。そして提出しました。・・・けっか?おもしろくない書体だねって!言われました。たくさん・たくさん書いてのに・・・もうムリ、私にはムリと諦めていました。そんな時、御朱印というものを知りました。全国の神社の御朱印を観ました。観ました。何かヒントがないか?と・・・そしたらここの神社の御朱印が目にとまりました。躍動感があります。文字が動き出しそうです。わたしは、格安の電車(青春18切符と言ったような?)でここまで来ました。再度お聞きします『飛』を筆字て書ける?
わたし:そうですね!『飛』は日常あまり書く機会が有りませんね?たくさん『飛』を書いたのですね?
さくらさん:書けば慣れると思いましたが、神主さんはどうですか?
わたし:わたしは、御朱印の新たな文字は、この文字を書こうと思った時に、すぐには書きません!どの様に文字をデザインして書くかを考えます。時には何時間も・時には何日も考えます。
さくらさん:すぐに書かないのですか?
わたし:すぐ書きたいのですが、想い・イメージが湧かないと、実際に書いた時にイメージ通りか否かの判断がつかないのです。ただ書いただけ?書かされた書になる様に思うのです。最初に書いた気の抜けた筆の感覚がこの手に残るのが嫌なのです。ワクワクする書にならないのです。私は書道家ではありません。上手い字は書けませんし、上手い字を書くつもりもありあせん。
これから御祈祷(お祓い)で、『飛』は時間的に書けませんし、突然でイメージが湧きません。
さくらさん:いつか?できれば近いうちに『飛』を書く事はありますか?わたし一人の為に神主さんは書きませんよね?たくさん御朱印を待っている人がいますし・・・
わたし:そんなことはありません!人数の問題ではなく、書きたいと心に響いた文字を書きます。わかりました。『飛』のイメージが湧いたら、SNSで表現します。
さくらさん、『飛』のイメージかんがえました。考えました。
そして4月(卯月)の御朱印は『飛躍』です。
さくらさん拙筆ではございますが、何かのキッカケになれば幸甚です。